自分語り①
定時に帰った。いつもみたいにそそくさと職場を出て駅に向かう。どうせ家に帰っても飯食って寝るだけだ。そう思って自販機でカフェイン入りの炭酸飲料を買おうと思ったが、目の前にあるわけでもないのに甘ったるくて薬みたいな匂いが鼻をついたので買うのをやめた。青いラインの入った地下鉄東西線の車両に乗り込む。電車の中の人はまばらで、綺麗な顔をした若い女がスマホを覗いている。5分ほどで独身寮のある最寄駅に着いた。雨が降ってきた。早歩きで自分の部屋に向かった。扉を開くと、昨日作った回鍋肉の匂いがした。あまりお腹が空いていたわけではないが、パックご飯と回鍋肉をレンジで暖めて、一緒に食べた。スマホでニュースを見るも興味を引く話題は何もない。ソファベッドに腰掛けて、毛布にくるまった。すぐに睡魔がやってきた。寸分の狂いもない、同じような毎日。いつの間にか眠っていた。
目が覚めたのは8時。少しだけ頭が冴える。冷蔵庫から無駄に冷えたペットボトル入りの茶を取り出してコップに注ぐ。部屋の中は寒い。スマホを見る。アプリでやりとりをしていた女の子から2件返事が届いていた。また帰ってくるかどうかは分からないけれど、無難に返事をしておいた。
やることがなくなったので動画サイトでオードリー若林と山里亮太のバラエティ番組たりないふたりを見た。動画を見ながら清水富美加のことを思い浮かべた。幸福の科学に入信し今は亡き清水富美加はこの番組のフォロワーだった。ラジオ番組で確かそんなことを言っていたな。